技能章:コンピュータ章ガイドブック!!
目次
はじめに
はじめに
昨今のコンピュ-タ技術の発展には目を見張るものがある。コンピュ-タの技術を使用 している製品は、身のまわりを見渡しただけでもたくさんある。例えば、電卓、ファミコン、 電子レンジ、ワ-プロ、電話等、コンピュ-タを使用していない電化製品をさがすほ うが難しい。 昔、人間が無駄な時間をかけずに、いかに効率よく生活していくかを考えて開発された コンピュ-タは、今日、これなしの生活は考えられない。もっと専門的な機械としては、 パ-ソナルコンピュ-タ(パソコン)があるが、この普及も目まぐるしいものがある。一家 に一台のテレビが、一人に一台と変化してきたのと同様に、パソコンが一人に一台の時代 もそう遠くないであろう。
こうしてみると、一見、難しそうなコンピュ-タも大変身近なものである。この身近な コンピュ-タを技術章の取得を通じて習得し、今後のスカウト活動に活用して頂きたい。 最後に注意して頂きたいことは、このコンピュ-タ技術の進歩は日進月歩であり、加速 的な発展を遂げている。それゆえに、今日の常識は、明日は正しいか分からない。たとえ コンピュ-タ章を取得したからといっても、日々の情報収集、技術習得を忘れることなく 頑張りたまえ。
そういう意味でも、本ガイドブックも執筆当時の一例の技術であり、自分なりの探究心 で研究に励んでいただきたい。
平成 7年12月1日
技能章取得までの道のり
君が技能章を取得したいと希望してから、記章を授与されるまでの手順を以下に示す。
- 計画をたてる君が興味のある技能章を選び、いつどのようにしてそれを取得する か計画をたてる。必要に応じて隊長から指導と助言を受ける。?
- 取り組む
その技能章の考査細目をよく理解して、必要な技能を身につけたり 調べて理解する。この段階で隊長や副長、友人や先輩スカウトなど 君を取り巻くすべての環境が大きな力と成るであろう。
- 考査を受ける
技能章の各考査細目について、その基準に到達しているかどうかを 技能章考査員によって確認してもらう。
- 記章をつける 技能章考査員より、考査結果の報告を受け、隊長から技能章を授与 される。このとき、技能章に取り組んできた過程でお世話になった 方々に対する感謝の気持ちを忘れないこと。
1.<コンピュ-タ全般>
次のことについて説明すること。
1) コンピュ-タの歴史
1)1642年(パスカルの加算機)
歴史上、最初に作られた機械式計算機は、パスカルの発明になるものと言われている。 パスカルはフランスの哲学者であり数学者・物理学者でもある、あの有名なパスカルであ る。1642年にパスカリ-ヌと呼ばれる卓上加算機を発明した。その加算機は歯車を用 いて作られ、8桁までの数を加減算することができるものであった。
2) 1673年(ライプニッツの計算機)
1673年、ドイツの微分積分学の創始者ライプリッツがパスカリ-ヌを応用して、加 減算の他に乗除算と平方根の開平を行うことができる計算機を発明した。この計算機もパ スカリ-ヌと同様、歯車を用いたものであった。
3) 1833年(バベッジの解析エンジン)
イギリスの数学者バベッジは、当時、数表がよく使われたので、これを機械的に作るた め、1822年に差分エンジンと呼ばれる機械の開発に着手し、1843年に完成した。 これは、計算の手順を機械的に覚えていて、それを自動的に進めるという、現在のプログ ラムの原型といってもよい機械を備えていた。
バベッジは1833年、差分エンジンを開発している時に、解析エンジンと呼ばれる関 数表を自動的に作成するという革命的な機械を開発する構想を立てた。この機械は、・計 算の手順とデ-タをカ-ドにパンチする・機械はカ-ドの穴を読み取る・自動的に計算す る、といったような機構をもっており、現在のコンピュ-タの基本概念をほとんど備えて いたと言える。しかし、残念ながら完成しなかった。
4) 1887年(ホレリスのパンチカ-ドシステム)
アメリカのホレシスは、1887年に国勢調査用統計機PCS(Punch Card System)を開発した。パンチカ-ドシステムは、リレ-を用いて穿孔カ-ドの穴の有無を電気信号 に置き換えるしくみを利用したシステムである。
5) 1946年(ENIAC)
1946年に米国ペンシルバニア大学で電子式の計算機ENIACがエッカ-トとモ- クリ-等によって開発された。この計算機は、真空管が1万8千本使用され、重さは30 トンという巨大な代物で、プログラムはスイッチと配線を用いてボ-ドに布線するという 方法が取られた。計算機速度については、1秒間に5000回の加減算を行うことができ た。(ENIAC:Electric Numerical Integrator And Calculator)
6) 1952年(EDVAC)
米国プリンストン高等研究所のフォン・ノイマンは、ENIACの開発に接して、プロ グラム内蔵方式の概念を提唱した。これは、プログラムを記憶装置に蓄え、それを逐次読 み出すことにより、コンピュ-タを自動的に実行させようとするもので、現在のコンピュ -タの概念そのものであった。このコンピュ-タは、現在、ノイマン型コンピュ-タと呼 ばれている。この構想を実現すべく、米国ペンシルバニア大学で、EDVACと呼ばれる コンピュ-タの開発をし、1952年に完成した。(EDVAC:Electoronic Discrete Variable Automatic Computer)
7) 1946年から1950年代末(第1世代)
コンピュ-タの論理素子として真空管、記憶素子として磁気ドラム・磁気コアが用いら れた。また、使用言語は機械語およびアセンブラ言語が中心で、コンピュ-タの使用目的 は弾道計算、国勢調査、科学技術計算が多かった。 第1世代の後期1957年には、バッカスほかIBM社のグル-プが初のコンパイラ言 語であるFORTRANを開発した。
8) 1960年から1965年(第2世代)
コンピュ-タの論理素子としてトランジスタおよびダイオ-ド、記憶素子として磁気コ アが用いられるようになった。論理素子としてトランジスタを利用したことによっって、 コンピュ-タの小型化が促進され、信頼性も大きく改善された。 このころになると、コンピュ-タは科学技術計算だけではなく、一般企業の事務処理に も利用されるようになった。事務処理用のコンパイラ言語COBOLが開発されたのは1 960年のことである。 また、オペレ-ティングシステムが整備されるようになったため、連続バッチ処理およ び多重プログラミングの利用が可能になった。
9) 1965年から1971年(第3世代)
コンピュ-タの論理素子としてICが登場し、コンピュ-タの処理の高速化、小型化が いっそう促進された。 このころには、コンピュ-タどうしのデ-タ伝送が可能になり、多数のユ-ザが同時に 1台のコンピュ-タを利用できるTSSや処理の時間要件に応じて結果を出力するリアル タイム処理などが行えるようになった。
10) 1971年から1980年(第3.5世代)
コンピュ-タの論理素子として、素子の集積度を向上させたLSIが登場し、記憶素子 としてICが用いられるようになった。 オンラインシステムが普及し、分散処理が行われ、ファイルを統合したデ-タベ-スも 普及するようになった。また、主記憶装置の容量以上のプログラムを実行するための仮想 記憶が登場した。
11) 1980年から(第4世代)
コンピュ-タの論理素子がVLSI、記憶素子がLSIとなることによって、コンピュ -タの小型化がいっそう進んだ。これにともない、コンピュ-タの機種の細分化も進み、 小型のパ-ソナルコンピュ-タやワ-クステ-ションの普及、大型の汎用コンピュ-タお よび超大型のス-パ-コンピュ-タの開発も進んだ。 利用分野の拡大にともない、ネットワ-ク技術も進展し、構内ネットワ-クシステムの LANや広域ネットワ-クのWAN、付加価値通信網のVANなどが登場するようになっ た。
12) 第5世代(次世代コンピュ-タ)
次世代コンピュ-タとして、推論機能をもつコンピュ-タが開発され、人口知能を活用 したエキスパ-トシステムの構築が可能になった。エキスパ-トシステムは専門家の知識 やノウハウを蓄積し、専門家の業務の代行および問題解決を行うシステムである。
1.<コンピュ-タ全般>
次のことについて説明すること。
2) コンピュ-タの仕組みおよびハ-ドウェアとソフトウェアの違い
コンピュ-タを利用するには、コンピュ-タに処理の手順を指示するプログラムが必要 である。また、同時にこれらの命令を忠実に実行してくれる、コンピュ-タを始めとする 機械装置類もなくてはならない。この二つが協力し合って初めて何らかの目的のある仕事 を成し遂げることが出来る。この前者をソフトウェア、後者をハ-ドウェアと言う。
コンピュ-タシステムは、大きく分けて5種類の装置から出来ている。
- 1.制御装置(control_unit)
あらかじめ記憶装置に格納されたプログラムをコンピュ-タが正しく解読、実行で きるように、各装置の制御を行う装置である。
- 2.算術論理演算装置(Arithmetic_and_Logic_Unit)
算術論理演算装置は、デ-タの四則演算などの算術演算、および論理積・論理和な どの論理演算を行う装置である。算術演算や論理演算などを行う演算回路と、被演算 数や演算結果を格納するレジスタなどから構成されている。
- 3.記憶装置(storage)
記憶装置は、コンピュ-タで処理を行うデ-タやプログラムを格納する装置である 記憶装置は、高速に読み書きでき、実行すべきプログラムやデ-タを格納する主記憶 装置と、大量のデ-タやプログラムを記憶できる補助記憶装置から構成される。補助 記憶装置には磁気ディスク装置、磁気テ-プ装置などがある。
- 4.入力装置(input_unit)
入力装置は、文字や図形および音声などのデ-タを、2進数の情報としてコンピュ -タに読み込む装置である。
- 5.出力装置(output_unit)
出力装置は、コンピュ-タで処理したデ-タを、人間が理解できるような文字や図 形および音声などとして出力する装置である。
なお、5大装置のうち、制御装置と算術論理演算装置とを合わせて中央処理装置
(Cental_Processing_Unit:CPU)とよぶ。
1.<コンピュ-タ全般>
次のことについて説明すること。
3) アナログ・コンピュ-タとデジタル・コンピュ-タの違い
色の濃さ(色調)や音の高さなどは、アナログ量の代表的なものであり、人数などはデ ジタル量の代表的なものである。デジタル量を扱う計算機をデジタル・コンピュ-タとい い、今日のコンピュ-タのほとんどはデジタルコンピュ-タなので、単にコンピュ-タと いったときはデジタルコンピュ-タという。一方、音波や色調のような連続量を扱う計算 機をアナログ・コンピュ-タといい、結果も波形の形で出力する。アナログ・コンピュ- タは精度は悪いが、計算速度が速いので制御用として用いられてきたが、昨今ではアナロ グ量をデジタル量に変換する装置(A/D変換器)など用いて、アナログ量をデジタル・ コンピュ-タで処理することができるので、アナログ・コンピュ-タはほとんど用いられ なくなった。
1.<コンピュ-タ全般>
次のことについて説明すること。
4) 超大型、大型、小型(ミニコンピュ-タ)、マイクロコンピュ-タの適用分野 用途
昨今のダウンサイジングにより、コンピュ-タを大きさや性能、価格により超大型、 大型などと区別するのは、変化が激しすぎて確定的には言えない。しかし、よく使用さ れる用語に当てはめて区別してみる。
- 1) ス-パ-コンピュ-タ
科学技術計算専用の超高速演算のコンピュ-タをス-パ-コンピュ-タと呼ぶ。ス- パ-コンピュ-タの用途は、原子力開発、分子構造解析、機械工学、流体力学などの分 野で使用される。
- 2) 汎用コンピュ-タ
ス-パ-コンピュ-タが科学技術計算用として開発されたのに対して、事務計算機に も科学技術計算用にも使う目的で開発されたコンピュ-タで、大型、中型、小型などに 分けることもある。用途としては、一般に銀行などのオンラインシステムから工場の生 産管理システムなどに使用される。
- 3) ミニコンピュ-タ
小型の汎用コンピュ-タより小回りがきき、低価格のコンピュ-タをミニコンピュ- タと呼ぶ。ミニコンピュ-タはDECによって提供されたのが始まりである。
研究者がグル-プで個人的な感覚で利用していたが、現在では、ビジネス用などの業 務にも使用されている。OSとしては、UNIXで稼働する製品が多い。
- 4) マイクロコンピュ-タ
コンピュ-タを部品化した超小型コンピュ-タを、マイクロコンピュ-タと呼び、マ イコンと略称される。最初の頃は、演算、記憶、制御、入出力の各機構を部品化してボ -ドに実装したワンボ-ドマイコンが組み立てられていたが、現在では、超LSI技術 を用いてそれらの機構を一体化したワンチップマイコンが作られている。
マイコンは、カメラ、ビデオを始め、色々な家電品、ファックス、計測器の中に搭載 されている。
※この他、オフィスコンピュ-タ、ワ-クステ-ション、パ-ソナルコンピュ-タなど も調べてみよう。
1.<コンピュ-タ全般>
次のことについて説明すること。
5) 10進法、2進法および16進法
- 1) 10進数
10を基数として、1,2,3,・・・,9となり、次は1つ桁が増えて10とな る。10進数は私たちにとって最も理解しやすい記数法である。
- 2) 2進数
2を基数として、2の整数倍になると桁上げが生じる。2進数はコンピュ-タでの 整数表現の基本である。なぜなら、コンピュ-タは電圧の高・低で数値や文字を表現 するからである。
- 3) 16進数
16を基数とし、16の整数倍になるとけた上げが生じる。したがって、16にな るまではけた上げが生じないように、10進数の10から15までの数はAからFを 使って1けたを表現する。
10進数 | 2進数 | 16進数 |
0 | 0 | 0 |
1 | 1 | 1 |
2 | 10 | 2 |
3 | 11 | 3 |
4 | 100 | 4 |
5 | 101 | 5 |
6 | 110 | 6 |
7 | 111 | 7 |
8 | 1000 | 8 |
9 | 1001 | 9 |
10 | 1010 | A |
11 | 1011 | B |
12 | 1100 | C |
13 | 1101 | D |
14 | 1110 | E |
15 | 1111 | F |
※このほか、2進数、10進数、16進数の相互の変換方法も習得しよう。
2.<ハ-ドウェア>
次のことができること。
1) 入力装置を4種類以上あげて、その特徴について述べる。
入力装置とは、コンピュ-タが処理を進めるために必要なプログラムやデ-タなどの 情報をコンピュ-タに入力するための装置である。
以下、入力装置の例とその特徴を示す。
- 1) キ-ボ-ド
キ-ボ-ドは、タイプライタのようなキ-ボ-ドのキ-を打鍵してコンピュ- タに情報を指示する装置である。もっとも汎用的に使用される。
キ-ボ-ドにもさまざまな種類があり、英数字だけのもの、日本語対応のもの また、配列が50音順のものなどある。
- 2) マウス
マウスは、一見「ねずみ」のような形をしていることから名付けられている。 最近、MMIがよいことからUNIX機やパソコン、CADシステムで多く使用 される。画面上のコンピュ-タへの命令箇所をマススを使用して移動させ選択す る装置である。
ハ-ド的には、光学式、機械式の装置があり、機能的には、2ボタン式、3ボ タン式の装置がある。
- 3) 光学マ-ク読取装置(OMR)
光学マ-ク読取装置は、用紙の上の必要な箇所の枠の中を鉛筆で塗りつぶして 記入するマ-クシ-トのデ-タを読み込む装置である。
コンピュ-タを知らない人々でも、マ-クシ-トに鉛筆で記入すれば光学マ- -ク読取装置で入力可能なので便利である。しかし、マ-クが正確に塗りつぶさ れていなかったり、また用紙に汚れがあったりすると、入力ミスを起こしやすい 欠点がある。
- 4) バ-コ-ドリ-ダ
バ-コ-ドリ-ダは、商品のさまざまな情報を数字で表したバ-コ-ドを読み 取る装置である。バ-コ-ドは商品につけられており、線の並びで0から9の数 字を表している。バ-コ-ドも、規格によりJANを始めいろいろな種類があり 線で表している意味が異なる。
バ-コ-ドは、商品固有の情報を限られたスペ-スに記述できる点が便利であ る。POSシステムなどの商品情報の読取りなどに用いられる。
この他にも多くの入力装置がある。ホログラムスキャナ、タッチパネル、タッチスク リ-ン、イメ-ジスキャナ、OCRスキャナ、IDカ-ドリ-ダなど・・・・・。
また、最近のマルチメディア化にともないマイク、デジタルカメラ、デジタルビデオ などからの入力も可能である。
2.<ハ-ドウェア>
次のことができること。
2) 出力装置を4種類以上あげて、その特徴について述べる。
出力装置とは、コンピュ-タで処理した結果を、人間に分かる形にして 出力したり、各種の機械を制御する情報を出力したりするための装置である。
以下、出力装置の例とその特徴を示す。
- 1) ディスプレイ装置
ディスプレイ装置は、コンピュ-タを使用した処理結果を画面上にタイムリ- に表示するときに便利である。
ディスプレイ装置は、ハ-ド的にはCRT,LCD,TFTなどの種類があり 機能的には、キャラクタ、グラフィック、イメ-ジを表示できる装置がある。
- 2) プリンタ装置
プリンタ装置は、コンピュ-タを使用した処理結果を印刷するときに便利であ る。
プリンタ装置には、シルアルプリンタ、ラインプリンタ、レ-ザ、プリンタ
インクジェットプリンタなどがある。また、被印刷物も連帳用紙、単票用紙があ り、種類も通常紙からタックシ-ルやハガキ、運送伝票などがある。
- 3) XYプロッタ装置
XYプロッタ装置は、コンピュ-タを使用して機械などの設計をし、図面を作 成するときに便利である。
上部に記録用のペンがついており、コンピュ-タの指示にしたがってX軸方向 Y軸方向に移動するようになっている。天板には印刷用の用紙があり、ペンの 上下左右の動作により目的の図形を描くことが出来る。
- 4) 音声出力装置
音声出力装置は、合成音声でコンピュ-タの処理結果を声の形で出力する装置 である。コンピュ-タより聴覚的に指示する場合に便利である。
3.<ソフトウェア>
次のことができること。
1) オペレ-ティングシステムについて説明する。
オペレ-ティングシステム(Operating_System:OS) は、利用者とハ-ドウェアの中間 にあって、コンピュ-タシステムの各種資源を管理し、プログラムの実行を制御すること を目的としたソフトウェア群のことである。
ここで、いう資源とは中央処理装置、主記憶装置、補助記憶装置、入出力装置などの ハ-ドウェア資源、アプリケ-ションプログラム、ファイル、デ-タなどのソフトウェア 資源およびオペレ-タやプログラマなどの人的資源に分類される。オペレ-ティングシス テムはコンピュ-タシステム全体の利用効率を向上させ、利用者にとって使いやすいコン ピュ-タシステムを提供しているのである。
OSの目的は次の点が上げられる。
・スル-プットの向上
・タ-ンアラウンドタイムの短縮
・レスポンスタイムの短縮
・オペレ-ションの簡略化
・周辺装置の割り付け
・故障への対策
オペレ-ティングシステムの種類
OSの名前 | 対象機種 | 開発者・発表年 | 備 考 |
scope | Cyber70 , | CDC | ・バッチ処理 |
Cyber170 | (1964年) | ||
Cyber6000 | |||
OS/360 | IBM/360 | IBM | ・多重プログラミング |
(1964年) | ・汎用中/大型機用 | ||
・バッチ処理の色彩が大きい | |||
MULTICS | Hシリ-ズ | Honeywell と | ・multiplexed infomation and |
MIT の共同開発 | computing service の略 | ||
(1965年) | ・PL/I言語で記述されている。 | ||
・歴史的に評判が高い | |||
MVS | IBM/370 | IBM | ・MultipleVirtual Storage の略 |
(1974年) | ・OS/360に仮想記憶機能を追加 | ||
ACOS | ACOS | 日本電気 | ・端末からの使い勝手がよい |
シリ-ズ | (1974年) | ||
VMS | VAX | DEC | ・Virtual Memory System の略 |
シリ-ズ | (1980年) | ||
UNIX | ワ-クステ-ション | AT&T | ・トンプソン とリッチ-がミニコン(DEC) 上で |
ミニコン | (1969年) | 実現 | |
・C言語で記述 プログラム 開発容易 | |||
・マルチユ-ザ/マルチタスク | |||
・コンピュ-タ通信に優れている | |||
CP/M | パソコン | キルド-ル | ・8ビットCPU(i8080,i8085,Z80) |
(8ビット) | (1973年) | などに対応 | |
・主記憶64KBをサポート | |||
MS-DOS | パソコン | マイクロ | ・16ビットCPUi8086/i8088用に開 |
(16ビット) | ソフト社 | 発 | |
(32ビット) | (1981年) | ・16ビット・パソコンのOSの主流 | |
となる | |||
・主記憶640KB をサポ-ト | |||
・MSはMicro Soft社の略で、DOS | |||
はDisk Operating Sistem の略 | |||
OS/2 | パソコン | マイクロソフト | ・MS-DOSの拡張版 |
(16ビット) | 社とIBMの共 | ・16ビットCPUi80286,32ビッ | |
(32ビット) | 同開発 | トCPUi386(80386)に対応 | |
(1987年) | |||
Windows | はじめはMS-D | マイクロ | ・MS-DOSやUNIXにWindow機能をも |
(ウインドウ | OSユ-ザのた | ソフト社 | たせたMS-Window やX-Windowが |
ズ) | めの絵文字( | (1985年) | 有名 |
アイコン) に | ・1992年にはWindowsNT がマイク | ||
よる操作環境 | ロソフト社から発表された。NT | ||
(GUI) の実現 | は次世代32ビット・パソコンの | ||
のため。後に | OSとして注目されている | ||
UNIXユ-ザへ | ・1995年にはWindows95 が発表さ | ||
も波及 | れ、マルチタスク,マルチメディア,ネットワーク | ||
強化が行われた | |||
DOS/V | IBM製パソ | 日本IBM | ・日本語対応 |
(ドス・ヴィ) | コンならびに | (1990年) | ・32ビットCPUi386/i486用に開発 |
その互換機 | ・基本的機能はMS-DOSと同じ | ||
漢字Talk7 | Macintosh | アップル | ・米国ではsystemという名前で |
コンピュータ | 開発され、日本語対応した製品 | ||
・GUI、マルチメヂィア に優れている |
※ この他ネットワ-ク機能に特化したネットワ-クOS(NOS)として、
ノベル社が開発したNetwareも有名である。
3.<ソフトウェア>
次のことができること。
2) プログラム言語を5種類あげ、その内3種類の言語について、その用途を説明する。?
プログラム言語の種類と特徴
言語名 | 適用分野 | 特 徴 | |
機械語 | 各種制御 | 機械固有、プログラムを2進数で記述 | |
アセンブラ 言語 | 各種制御 | 命令コ-ドを英数字の記号で表す | |
FORTRAN | 科学技術計算 | IBM 社開発、最も歴史が古いコンパ イラ言語 | |
COBOL | 事務処理計算 | CODASYL 委員会設計、デ-タ と処理の分離 | |
PL/I | 科学技術・事務処理両用 | IBM 社開発 | |
PASCAL | 科学技術・事務処理両用 | N.Wirth 開発、構造化プログラミング 、教育用 | |
C | システム記述用 | AT&Tのベル研究所が開発、UNIXの記述 | |
BASIC | 会話型言語 | 初心者向け、パソコンの主要言語 | |
LISP | リスト出力用 | リスト 構造(2分木) 、人工知能 | |
PROLOG | 人工知能用 | 述語論理型言語、人工知能 | |
SQL | デ-タベ-スのアクセス | リレ-ショナルデ-タベ-ス (RDB) アクセス言語 | |
RPG | 報告書作成用 | ジェネレ-タにより作成される |
3.<ソフトウェア>
次のことができること。
3) コンパイラ-におけるソ-スプログラムとオブジェクトプログラムについて説明する。?
人間が理解できるアセンブラ-言語や高水準言語を用いて記述したプログラムを原始
プログラム(source_program)という。コンピュータの電子回路は、この言語を理解する ことは直接には出来ない。コンピュータが理解できる(実行できる)のは、2進コードす なわち機械語である。そこで、プログラム言語で記述した原始プログラムを一旦、何等か の手段で機械語のプログラムに変換して、実行させようというアイデアが生まれた。この 変換作業を翻訳といい、変換されたプログラムを目的プログラム(object_program) と呼ぶ。
この翻訳作業を行うのが言語処理プログラム(language_processing_proguram)である。 言語処理プログラムには、コンパイラー、アセンブラー、インタープリター、ジェネレー ターの4種類がある。
-コンパイラー-
高水準言語で記述された原始プログラムを機械語に一括して変換する言語処理プログラ ムをコンパイラー(compler) と呼ぶ。この場合の変換を一般に翻訳といい、その作業を特 にコンパイル(compile) という。
コンパイラーは原始プログラムを翻訳中に文法的な誤りが発見された時には、その誤り の箇所を指摘し対応策を示してくれる。致命的な誤りが発見されたときには、目的プログ ラムは生成されない。この目的プログラムは直接実行することはできない。実行するため には、連携編集という作業を行う必要がある。コンパイラーの翻訳の対象となる高水準言 語を特にコンパイラー言語と呼ぶ。コンパイラーの種類は、例えば、FORTRAN言語 には、FORTRANコンパイラー、COBOL言語にはCOBOLコンパイラーがある。
※このほか、アセンブラー、インタープリター、ジェネレータも調べてみよう。